「謝ること」は悪いことじゃない
みなさん、こんにちは。ちあきまるです。
仕事をしていると、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあります。時には失敗し、誰かを傷つけてしまうこともあるかもしれません。そのとき、みなさんは「謝る」ことができますか?
「謝るのは負け」「謝ると立場が悪くなる」「とりあえず謝ればいい」と思う人もいるかもしれません。でも、それは本当でしょうか?
あるいは、「ちゃんと謝っているつもり」になっていませんか?
言葉では「すみません」と言いながら、心のどこかで「だって私は悪くない」「そもそもなぜそんなことで謝るの?」と思っていませんか?
本当の意味で、心から謝ることができているでしょうか?
謝ることは決して悪いことではなく、むしろ人として成長するために大切なことです。
当院の理念のもと、後輩を指導する中で、改めてその大切さを実感しました。
今日は、「本気で謝ることの意味」について、みなさんに伝えたいと思います。
「感謝」と「謝ること」の大きな違い
感謝を伝えることは、それほど難しくありません。「ありがとう」と言うだけで、相手の気持ちを温かくすることができます。
でも、「謝る」ことは簡単ではありませんよね。なぜなら、謝るということは、自分の事情や言い分を一度置いておき、「相手を悲しませてしまった」「怒らせてしまった」ことを認めること、「自分の過ちを認める」ことだからです。本当に勇気がいることだと思います。
人は誰でも、「自分は悪くない」と思いたくなるものです。でも、医療の現場では「自分がどう思うか」よりも、「相手がどう感じたか」が大切になります。
謝ることは「自分の価値が脅かされる」ことでは決してなく、「相手を大切にする」という気持ちの表れなのです。素直に謝ることができる人こそ、信頼される存在になれます。
表面的な謝罪と、本気の謝罪の違い
最近、「とりあえず謝っておけばいい」という風潮もあります。でも、それでは本当に相手の心に届く謝罪にはなりません。表面的に「すみません」と言うだけでは、相手の気持ちは晴れず、むしろ「適当に流された」と感じさせてしまうこともあります。
本当に心から謝るということは、「自分が悪かった」という事実を受け止め、相手がどれだけ傷ついたのかを考え、同じことを繰り返さない努力をすること です。言葉だけでなく、その後の行動が大事なのです。
例えば、患者さんやそのご家族と接する中で、意図せず相手を傷つけてしまうことがあるかもしれません。そのときに、「すみません」と軽く言うだけで終わるのか、それとも「どうしたらこの人の心が少しでも楽になるだろう」と考え、行動できるのか。その違いは、患者さんの安心感に大きく影響します。
本気で謝れる人こそ、人を救える
医療の現場で働く私たちは、人の命や健康、そして心に寄り添う仕事をしています。だからこそ、相手の気持ちを考え、本気で謝れる人であってほしいのです。
謝ることを恥ずかしことや負けと思う必要はありません。むしろ、心から謝ることができる人は、信頼され、人を救うことができる人です。
だからこそ、私たちは「本気で謝れる人」を目指していくべきなのです。そういう成長の道を皆さんと歩んでいきたいと思っています。
「無知の知」〜学び続ける姿勢を持とう〜
「無知の知」という言葉を聞いたことはありますか? これは、古代ギリシャの哲学者ソクラテスの言葉で、「自分はまだ知らないことがたくさんあると気づくことが、本当の学びの始まり」という意味です。
謝ることを通じて、自分の未熟さや新たな学びに気づくこともあります。だからこそ、「自分はまだ知らないことがある」という意識を持ち続けることが大切です。
医療の現場では、同じケースは二度とありません。だからこそ、「知っているつもり」ではなく、「もっと学ぼう」と思い続けることが、成長につながります。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」ということわざがあります。稲は成長し、実がなるほど、穂が垂れていきます。それと同じように、人も成長すればするほど、謙虚でいることが大切です。
本当に成長した人ほど、自分の未熟さを受け入れ、素直に謝ることができるものです。だからこそ、私たちも“成長するほど謙虚でいる”ことを忘れずにいたいですね。
本当に成長してほしいからこそ
私がこうしてみなさんに伝えているのは、ただの言葉ではありません。本当に、心から成長してほしいと思っているからこそ、お伝えしています。
本気で謝れる人は、周囲から信頼され、より良いチームワークを生み、結果として医療の質を高めることができます。
だからこそ、ただ形だけの「謝る」のではなく、心から「謝る」ことができるよう、私たちも日々の仕事の中で実践していきましょう。
みんなで一緒に、心から謝ることをナチュラルにできるよう、練習していきませんか? ただ形だけの謝るではなく、本当の意味で人の心を救う謝るを、ぜひ仲間とともに学び、実践していきましょう。
みなさんの成長を、心から願っています。