「良かれと思って逆効果?」子どもの本音を引き出す、たった1つのコミュニケーションの原則【7つの習慣に学ぶ】

親子の会話母親と娘

「良かれと思ってアドバイスしたのに、なんだか相手は不機嫌…」「子どものためを思って言っているのに、全然響いていない…」

こんにちは、3人の子育て真っ最中、そして「7つの習慣®」の考え方をお伝えしている、ちあきまるです。

何を隠そう、何を伝えようとしているこの私自身が、つい最近、高校生の長女との関わりで「良かれと思って」が引き起こす大失敗をやらかしてしまったばかりなのです。

でも、その失敗のおかげで、家族の絆を深めるとても大切な原則に改めて気づかされました。

この記事を読み終える頃には、あなたも「つい口うるさく言ってしまう」という自己嫌悪から解放され、お子さんやパートナーとの間に、温かくて深い信頼の橋をかけるヒントを見つけられるはずですよ。

「まさに私のことだ…」ついやってしまう、お悩み相談室

「ねぇ、お母さん聞いてよ…」

お子さんやパートナーが、悩みを打ち明けてくれた時。私たちは心配のあまり、そして助けてあげたい一心で、すぐにこう言ってしまうことはありませんか?

  • 「そんなの、こうすればいいじゃない!」(助言)
  • 「あなたのそういうところが良くないんじゃない?」(評価)
  • 「で、結局どうしたいの?」(探り)
  • 「ああ、それはつまりこういうことでしょ?」(解釈)

実はこれ、まさに先日、私が娘にしてしまったことそのものなのです…。

新しいクラスに馴染めず、この世の終わりかというほど落ち込んでいる娘を見て、私は矢継ぎ早にアドバイスを始めました。

「昼休み、前のクラスのお友達のところに行ってみたら?」
「そもそも、あなたから話しかけづらいオーラが出てるんじゃないの?」

良かれと思っての言葉でした。でも、娘から返ってきたのは、悲しそうな顔と、「お母さんは心配してくれてるって、全然思えないんだけど」という、胸に突き刺さる一言でした。

私たちがやりがちな「処方箋の誤り」というワナ

この私の失敗、実は『7つの習慣』で語られている、人間関係における非常に重要な原則から外れてしまっていたのです。

それは、「第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される」という原則。

私たちは、相手の話を最後まで聞く前に、まるで名医のように自分の経験や価値観という「メガネ」を相手にかけさせ、「これでしょ?」「こうしなさい」と処方箋を出してしまいがちです。

でも、相手が見ている景色も、抱えている痛みも、私たちとは全く違うかもしれない。度数の合わないメガネを無理やりかけさせられても、ますます世界がぼやけて見えるだけですよね。

娘が本当に欲しかったのは、解決策ではありませんでした。ただ、「そっか、新しいクラスで一人ぼっちで、不安で、心細かったんだね」と、その気持ちに寄り添い、ただただ聞いてほしかった。そのたった一つだったのです。

これならできる!今日から始める「聞く力」3つのステップ

「でも、具体的にどうすればいいの?」と思いますよね。大丈夫、私も毎日練習中です。一緒にやってみませんか?

  1. 【ステップ1】アドバイスのスイッチをOFFにする

    相手が話し始めたら、まず「どうすれば解決できるか?」という思考を一旦ストップ!「そうなんだ」「うんうん」と、ただただ受け止めることに集中します。心の中で「私はただ聞く役」と唱えるのも効果的ですよ。
  2. 【ステップ2】相手の“気持ち”を言葉にして返す

    「オウム返し」というスキルがありますが、ただ言葉を繰り返すだけでなく、その裏にある感情を汲み取って返してあげるのがポイントです。

    「(友達がいなくて)寂しいんだね」
    「(どうしていいかわからなくて)不安なんだね」

    こう言われると、相手は「わかってもらえた!」と心を開いてくれます。
  3. 【ステップ3】沈黙を味方につける

    会話が途切れると、大人の私たちは不安になってつい何か話したくなります。でも、その「間」こそ、相手が自分の心と向き合い、次にかける言葉を探している大切な時間。

    じっと待ってあげる、その姿勢が「あなたのことを信じているよ」という何よりのメッセージになるのです。

よくある誤解「聞くだけで本当にいいの?」

「ただ聞いているだけで、問題は解決しないのでは?」と思われるかもしれません。

その通り、すぐには解決しないかもしれません。でも、考えてみてください。私たちが大切にしている家庭菜園と同じです。「早く育て!」と叫んでも、野菜は育ちませんよね。土を耕し、種をまき、水をやり、太陽の光を浴びさせてあげる。そうやって環境を整えれば、野菜は自らの力で育っていきます(農場の法則)。

子どもの心も同じなのです。「わかってもらえた」という安心安全な土壌があって初めて、子どもは「じゃあ、どうしようかな?」と自分で考える力、前に進む力を発揮し始めます。私たちの役目は、答えを与えることではなく、その力が育つ環境を整えてあげることなのかもしれませんね。

まとめ | 最高のコミュニケーションは「愛」で聞くことから

「触れ合いの“あい”は愛」と、私はいつもタッチケアを通してお伝えしていますが、「聞く」という行為もまた、相手の心にそっと触れる、最高のコミュニケーションであり、深い愛情表現なのだと、今回の失敗を通して改めて学びました。

良かれと思った言葉がすれ違う時、それは相手が悪いのでも、あなたが悪いのでもありません。ただ、ボタンをかけ違えているだけ。

まず相手を理解することに徹すれば、相手もまた、あなたのことを理解しようとしてくれます。そうやって信頼の貯金がたまっていくと、あなたの言葉は本当に届けたい形で、スッと心に届くようになるのです。

大丈夫、完璧な親なんていません。私も失敗ばかりです。でも、失敗するたびに、また一つ学んで、子どもと一緒に成長していけばいい。私たちは、そういう存在なのです。

この記事を書いた人

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ちあきまる(こもり ちあき)

子育てアドバイザー。3児の母、元特別支援学校教諭、現在は小児科クリニック事務長、タッチケア講師、7つの習慣実践会認定ファシリテーターとして活動中!愛と勇気、継続力を大切にしています。「タッチケア」と「愛」で子育て&夫婦関係をもっとハッピーに!子育て、夫婦関係のコツを毎日XやPodcastで発信中。毎日の育児を充実させていきましょう。

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