2022年10月10日より、「愛でいっぱいまるまるタッチ」という音声番組(ポッドキャスト、Spotify、AmazonMusicで配信)を立ち上げました。
ベビーマッサージやタッチケアを通して、子育てや、人との関わりの中での疑問や悩みを一緒に考えていく番組です。
本ブログでは、音声配信でお聞きになれない方に、内容の要約という形で情報をお届けします。インタビュー形式(Q&A形式)でお話しを進めていきます
第26回目(2023/4/3)の配信をしました!
新学期を迎える時期となり、環境の変化で学校に行きたくない気持ちになりやすい時期に入ってきました。
「行きたくない」「勉強したくない」モードになったときは、皆さんはどのように対応していますか?
今回は、我が家のエピソードを交えながら、アドラー心理学で学んだ叡智も取り入れながら、少しずつ前に進むための、工夫、取り組み、考え方をお話ししていきます。
Q:4月に新学期がスタートしますが、千明さんのお子さんの最近(3月)の様子はいかがですか?
A:小学校1年生の子の3学期に事件がありました。
赤ちゃんの頃から広場などの集団が苦手な事もあり、泣いたり、保育園時代も逃げ回ってました。
小学校へ朝はお兄ちゃんと一緒にバス停に行く時に、行きたくないって言って逃げちゃう事が多く、今までは逃げてしまっても見つけられてたんですけど、今回小学校へ行く4日目は見つけられなかったんです。
警察に電話して、パトカーが家に着く頃にはちょうど本人が戻ってきてたということがありました。
いなくなってしまう前には、行きたくないモードに入っていたところを頑張って行けるように背中を押して何とか送り出したのですが、どこからかいなくなってしまったという日がありました。
その日はとりあえず自分で帰ってきていて、「もう学校行かないからね」ってなってしまい、たまたま知り合いの方が面倒みてくれることになったので学校はお休みをしました。
その日以来、朝は学校まで送る事にしています。
Q:お兄ちゃんはそのことについて何かおっしゃってますか?
A:真ん中の兄ちゃんは優しいので、基本、本人が学校に行きたがらない理由を本人が言わなくても分かっていて、「学校行くと1年生のお友達に、(弟が)最近来るの遅いの?って聞かれるんだよ、心配されてるんだよ」って言っていますが、弟は「行きたくない、面倒くさいんだよ」とか言っていますね。
本人には行きたくない理由があると思いますが、こちらとしては少し理解がし難いところですが、恐らく根本の原因は、私の仕事が忙しいから寂しい、甘えたいっていうところが大きいのかもしれないです。
何年ぶりかにインフルエンザが流行りだして来て、クリニックが忙しくなってなかなか時間が取れないので、やはり敏感に感じ取って我慢させ過ぎちゃってるかなっていうのはあります。
Q:学校に行きたくない時に気持ちを受け止めてあげることは大事ですか?
A:そうですね。
今まで保育園に行きたくないと言っても、体も小さいので自転車に無理矢理乗せて、なんとか引き渡す事が物理的にできていましたが、今は体も大きいので、今までの感じではいかないなと親としての学びがありました。
今はアドラー心理学を学んだので、経験をさせてみた結果どうなのかというのを試しています。
アドラー心理学では ”生の注目” と ”負の注目” があり、例えば学校に行きたくないとことが負の注目として、行きたくないという感情の裏には、何か足りない感情を足したいがために暴れたり、怒ったりして親に注目を向けさせてくるというのもありますが、
その場合「どうしたの?」と構って、何度も受け止めてくれるという感情を変な目的達成として覚えてしまうのも良くないとは思います。
ただ行きたくない理由が分からないから本人も困っているのであれば受け止めてあげる事も大事ですが、学校を休むことになっても親は仕事に行かなくちゃいけないので、結局本人は寂しい思いをすると思います。
何度も素直に受け止めるのも少し違うんじゃないかなと思って、1日目は休ませるけれど、2日目は背中を叩きながら、「この痛さは君の心の痛さだ」なんて言い聞かせながら行かせることもしました。
そうしたら、行きたくないという感情はやわらいだようですが、その日の学校の様子を聞いたら、教室の隅っこに隠れていたようです。
次の日も行きたくないって言ったり、体育の授業はやりたかった授業だって言ったり、はたまたご飯食べないからね、もう勉強しないからねって逃げちゃたりとかもしていますが、「わかった。勉強しなくていい、行くのが勉強だから」と言いながら励ましています。
結果、何度かいろんなことを試してきて、行きたくないという気持ちは相変わらずですが、学校に行ってからの本人の切り替えが早くなってきたかなというのはあります。
新学期はみんなに会うのが久しぶりだったり、初めましてだったりでみんなドキドキすると思います。
どういう会話するんだろうとか、マスクも段々しなくても良くなってきて、本来の人の表情が見えたりすると思うので、表情を読み取りやすくなって安心だったりもするかもしれないし、一方ではそんな表情するんだとびっくりしてしまったり、マスクを取ることの恐怖もきっと子どもたちにもあると思います。
そんな環境の変化でストレスを抱えて、本当に行きたくない時にじゃあ休もうかと言っていると、10年後、20年後の子どものために良くないと思うので、ここは親の踏ん張りどころだと思います。
例えば、校門のところまで行こうか、ちょっと外に行こうかと行ってみたり、早めに担任の先生に手を打ってもらったり、勉強しなくていいけど宿題だけもらって帰るとかのちょっとしたアクションを取るようにしていく事がいいかもしれません。
やはり小学校1年生とかは、まだ深い言語化ができないと思うので、なんで行かないのかというのは聞かなくていいと思います。
本人が行きたくないのは昔からそういう気質があるからかもしれないけど、頑張って行こうっていう意識を持って、重い腰を支えてあげる心構えも大事なのかなと思います。
まとめ
今回はお子さんのやる気のない時の対処法をお話ししました。
例えば、背中を押してあげることも大事ですが、ときには逃げ道を作ってあげることも大事です。
行きたくないと泣かれた時にお母さんもカーっとなってしまう事もあると思うんですが、気持ちを落ち着かせて、客観的に見て支えてあげましょう。
また、逃げ道を作った時には、課題やヒントを子供に与えることで達成感を味わってもらい自立を促すことも工夫の一つです。
でも、なかなか正解のない、時間のかかる領域なので、迷い、悩みもつきませんよね。
これをやれば正解というものではないとも言えますが、リアルな悩みや取り組み事例を共有することで、何らかしら前進するヒントになれば幸いです。