慣れたときこそ、気を引き締める大切さ
仕事に慣れてくると、つい「自分はできている」と思いがちです。これは自然な感情ですし、成長の証でもありますが、同時に「慢心」や「退屈」を招く可能性も含んでいます。今の職場環境に対して、つまらなさを感じたり、やる気を失ったりしてはいませんか?「自分はきちんと仕事をしている」と思うことも大事ですが、周りの目にはどう映っているかを考えたことはありますか?
職場での仕事は、他人との協力のもとに成り立っています。だからこそ、チーム全体の動きや雰囲気に目を向ける必要があります。どんなに忙しいときでも、人手不足の中で協力してくれている皆さんの努力に感謝しています。しかし、この感謝の気持ちだけではなく、働き方や態度についても今一度考えてみる必要があると感じています。
プロとは何か?初心と礼儀を忘れずに
「プロフェッショナルとは何か?」— この問いに対する答えとして、まず大事なことは「初心忘るべからず」です。皆さんが入職したときの熱意や意欲は、今も持ち続けていますか?上司の立場から見ると、残念ながらその初々しい情熱が薄れているように感じることがあります。
もう一つ、職場での心得として「親しき中にも礼儀あり」があります。私たちはチームとして、協力し合いながら仕事をしています。しかし、それは職場であることを忘れてはなりません。例えば、休憩中であっても上司が顔を見せたら姿勢を正すこと、自分が作業中であっても上司が「お疲れ様」と挨拶をすれば体を向けて挨拶を返すことが、職場での礼儀です。皆さんは、これを日々実践できていますか?
一般企業でも、上司に対して「休憩中だから」と体を崩して対応することは失礼にあたります。また、上司が見ていないからといって掃除や単純作業を適当に済ませるのはプロの態度ではありません。就業中の姿勢や行動には、メリハリが必要です。朝礼後にだらけたり、休憩後にゆっくりと腰を上げて仕事に取りかかるのでは、プロフェッショナルとは言えません。
杉浦太蔵氏の「在り方」が教えてくれるもの
皆さん、杉浦太蔵氏をご存知でしょうか?彼は20代で衆議院議員に選ばれ、現在は商社の社長という輝かしい経歴を持つ人物ですが、彼のキャリアは清掃員から始まりました。彼の成功の秘訣は「在り方」にあります。
杉浦氏がトイレ掃除をしていたとき、そのビルの社長が彼に目を留めたのは、彼の真剣さや誠実さ、そして一生懸命さが伝わったからです。たかがトイレ掃除と侮らず、全力で取り組む姿勢が、彼を外資系企業に引き寄せ、さらには国会議員へと導いたのです。このエピソードが教えてくれるのは、まさに「今の自分の在り方」です。現場で自分がどう振る舞っているかが、周囲にどんな印象を与えているかを振り返ることが必要です。
杉浦氏はこうも語っています。「何かを要求するということは、それなりの責任が生じます。努力もしないといけない」と。また、「今いる場所で欠かせない存在でありたい」とも。彼の言葉には、「努力を惜しまず、周囲の信頼を得るために全力を尽くすこと」の重要性が込められています。
最後に—私たちの「在り方」をもう一度見つめ直そう
上司の厳しい言葉には、今の私たちの働き方や意識に対する不安が込められているように思えます。不安がなければ、何度も伝えようとはしないでしょう。私たちの組織は、チームワークを大切にする場です。その誇りを持ちながら、自分の在り方をもう一度見つめ直し、改善していくことが大切です。
現場での小さな行動一つひとつが、プロフェッショナルとしての自分の姿勢を表します。だからこそ、今の自分の在り方に責任を持ち、日々の仕事に真摯に向き合いましょう。皆さんの努力が、私たちの組織を支えていることに、心から感謝しています。